足湯をしてみましょう

難しくありません。時間は、慣れれば全部で15分くらいで出来ます。最初のうちは、30分ほど時間を作って、慌てずにゆったりやってみましょう。

この足湯のやり方は、野口整体のやり方です。クーヨン増刊号「あかちゃんからの自然療法」に紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。もう少し詳しく解説しています。

健康法として、某団体が普及活動を行っている「足湯」のやり方とは全然ちがいます。本文をお読みになり、どちらのやり方を採用するか、ご自分で判断なさってください。

整体協会の指導者である、佐藤ともやさんから書いていただきました。

わからないことがありましたら、左側の下の方「コンタクト」からお知らせくださいませ。

足湯の手順

両足が入る大きさのバケツかたらいを用意してくるぶしが隠れる位にお湯を入れます。お湯の温度は42〜43度位、少し熱めで快感がある温度から始めます。それとは別に、差し湯用の熱湯をヤカンかポットに用意しておきます。

両足を同時にお湯に入れ6分(長くても8分)計ります。その間、ときどき差し湯をして常に熱い状態を保ち、6分たったら両足を出して乾いたタオルでていねいに拭きます。(指の間も)そして両足を比べて見ると、片方の足は赤くなっているけれど、もう一方は赤くなっていません。赤くなっている足はすぐに靴下を履き、赤くなっていない方の足を、もう一度お湯に入れて、差し湯をしながら3〜4分追加して温めます。その後もう一度よく拭いてからすぐに靴下をはいて、コップ一杯の水をゆっくり飲みます。一気に飲むと水は体に吸収されずに、すぐ排泄されてしまいます。

両足を出した時に、どっちが赤くないのかよくわからない時には、足裏が分厚いと感じる方、又は土踏まずが鈍く感じる方を選んで追加します。

足湯は足を温める方法ですが、目的は温める事ではなく、左右の差を揃える事にあり、鈍い方を追加して温める事に意味があります。

温め過ぎると両方赤くなってしまい、左右差がわからなくなります。気持ち良いからと言って10分も20分も温めていては、足湯の効果は無くなってしまいます。

30分〜40分足湯することを勧める人もありますが、温めすぎは身体に良い事ではありません。人間の身体は物とは違い、温め過ぎると内側では冷やそうとする働きが強くなり、始終温めていると、かえって冷えやすい身体をつくることになってしまいます。

使い捨てカイロなども同じ場所に長時間当てっぱなしにすることは、かえって冷えやすくしてしまいます。また、電気毛布やホットカーペットは体が乾いてしまい、やはり冷えやすい体を造る事になります。乾いている体は冷えが入りやすいのです。冬になると空気が乾燥し、暖房を入れるとますます乾いてしまいますが、乾いている時期には水を飲むことが大切です。加湿器を入れることも良いのですが、冬に水を飲む事は、体を冷えにくくする良い健康法です。

ここで云う水とは、水分という意味ではなく、水です。生水がいいのです。昔の人は「寒の水は朝飲め」と云いましたが、特に冬は朝一杯、目覚めの水は欠かせません。体に水が満ちてくると冷えにくいのです。足湯の後は吸収が良いのです。眠る直前に足湯した時でも水を飲むべきです。

足裏の土踏まずは腎臓と深く関わっており、体の中の水の流れの急処なのです。冬になって流行る風邪のほとんどは腎臓系統の風邪であり、その初期に足湯をすると風邪の経過をスムースにします。

また、体に冷えが入ると、どこが冷えても足の甲の三指と四指の間が狭くなり、硬くなります。冷えによって腎が疲れたり、女性では月経の経過が悪くなっているときには、この三、四指間の硬い方の足を開くように押さえてから足湯すると良いのです。追加して温めるのも、三、四指間が硬い方を選びます。月経痛がある人は二日目に行うと良いです。

しかし、くれぐれも温め過ぎてはいけないし、毎日続ける必要もありません。毎日やっていると効かなくなってしまいます。だから、三日続けたら三日休む、一日おき、二日おきにするという具合に間をあけて行う事は、刺激療法を行ううえでのコツなのです。

また、足湯をするときには自分の足の中に注意を集めて、お湯の熱さを迎え入れる事が大切です。テレビなどを見ながらではいけません。

お湯の中に塩を入れたり、ハーブを入れるのは良いです。しかし、お湯を柔らかくしたいのなら、ていねいに手でかきまぜる事が一番です。

消化器系の不調、つまり腹の具合が悪いときには、脚湯といって膝下の足三里が隠れるまでお湯に入れ、足湯と同じ要領で両足一五分、追加五分温めます。これは大きなバケツが必要ですが、無いときには風呂にお湯を張り、膝下だけ入れるとよいでしょう。

足湯も脚湯も、風呂とは別に行う方がよいです。

冷えている側の見つけ方

「どちら側が冷えているのかわからなくて、どちらを追加すればいいかわからない」という方が多いようなので、もう少し情報を追加します。

足の指と指の間に、水掻きがありますね?河童ほど立派ではないですけど。

足の親指を一、と数えて、小指が第五指。第三指と第四指の間の水掻きを、人差し指と親指でつまんでみてください。反対側の同じところも、つまんでみてください。どちらが分厚いですか?分厚い側が冷えている側です。

たいていは、分厚くなっている側が、つまんだときに、より痛いんですが、冷えすぎたり、鈍くなりすぎていると、かえって痛みを感じないことがあるので「痛い側」を基準にしません。

それでもわからなかったら、骨をさぐってみましょう。足の指一本ずつから、足首に向かって骨が集まっていますね?その骨の、やはり第三指と第四指の間、足の甲を押さえてみてください。どちら側が分厚いですか?または、どちら側が骨と骨の間が狭くなっていますか?分厚い側、骨と骨の間が狭くなっている側が、冷えている側です。骨と骨の間を広げるようにしてあげてから、足湯をすると効果的です。

足湯バケツ

保温機能付きの足湯器よりも、適度にお湯が冷める方が、差し湯の刺激を利用できます。
このようなふつうのバケツをおすすめします。